SCP-4711(紹介)

―ある種徹底した品ぞろえ―

 

最近のコンビニには様々なモノが揃っている。

食べ物飲み物は当然ながら。筆記具や生理用品、雑誌などの読み物、最近ではアニメや漫画のグッズがくじの方式で売られているなんてこともある。

とにかく品ぞろえは非常に良いと言えよう。

 

今回はそんなコンビニが題材の話。

ややネタバレだが基本的にはみんなが知っているようなコンビニだ。

 

 

ただ一点の異常性を除いては―

 

 

SCP-4711

オブジェクトクラス:Safe

SCP-4711はマレーシアの某所に存在する「セブン‐イレブン」である。

外見はまさしくセブン‐イレブンそのものなので、民間の方々に片っ端から記憶処理を施すのはさすがに骨が折れるし、SCP-4711を撤去させるわけにはいかない。

そこで、財団の職員を店員として配置して経営もまかせ、普通のセブン‐イレブンと同じように労働・経営してもらい、民間の方々には極力魅力的に見えないように、SCP-4711の外見は乱雑かつ貧相に、簡単に言うならめちゃくちゃきったない状態にし、それを維持することで収容済みとしている。

それでも入ってきて利用したお客様には、財団特製記憶処理を無料提供し、そのままお帰りいただくことになっている。

 

さて、そろそろ異常性の説明に移ろう。

と、その前に財団が行ったSCP-4711のある実験をまず先にご覧頂いてから。

 

SCP-4711実験記録

実験①

Dクラスの職員(乱暴に言えば人と言う名のモルモット)にマレーシアの通貨である20リンギットを与え、何を買うかを事前に報告した後で入店させる。

このDクラスの職員は「じゃあM&M'sを1パック買ってくるよ」と報告してから入店。

(M&M'sてのはアメリカのチョコブランド。あの顔の付いてるマーブルチョコのやつ)

結果

→買いに行ったDクラスの職員は手ぶらで退店「ピーナッツのやつしかなかったんだけど?」と不満げ。このDクラス職員はピーナッツアレルギーだった。

 

え?よくわからない?

じゃあもう一つ

 

実験②

①の職員とは別のDクラス職員にLay'sのソルト&ヴィネガーのポテチと16ozのコカ・コーラ チェリーコークのボトルを買うように指示した。無かったら似たようなものを買うようにとも指示。

結果

→7-Selectブランド(セブンプレミアムみたいなやつ)のソルト&ヴィネガーのポテチ1袋と、12ozのコカ・コーラ バニラ1缶を買って帰ってきた。

ちなみにLay'sのソルト&ヴィネガーのポテチと16ozのコカ・コーラ チェリーコークは今回実験に参加したDクラス職員の嫌いなスナックと飲み物である。

 

そろそろ分かっただろうか。

SCP-4711の異常性、それは―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お客様の欲しいものだけが入店した途端によくわからん方法で消滅する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんてこったい。

 

 

 

 

 

 

 

 

その徹底ぶりは商品に限定されず、レジでは使用頻度の低いお支払方法しか選ぶことができなくなり、スラッシーマシン(ファミレスでシャーベット出てくるアレ)やソーダファウンテン(ファミレスのドリンクバーにある飲み物出てくるやつ)を利用しようとすればぶっ壊れ、トイレを利用しようものならトイレの入り口に鍵がかかっているか、トイレそのものがぶっ壊れ、涙無くして語れない目を背けたくなるような悲惨な結末を迎えることになる。

 

ちなみにSCP-4711の実験は他にもあるので紹介させていただく。

実験③

Dクラス職員をなんにも与えることなく丸一日監禁した後に、80リンギットを与えて入店させた。

結果

販売期限を2日過ぎた0.5ガロン(≒1.8リットル)の無脂肪乳を持って退店。

Dクラス職員は「スキムミルクなんざ大っ嫌いじゃ!」と不満げ。

それとスラッシーマシンはぶっ壊れていて、ソーダファウンテンからはフレーバーシロップしか出なかった模様。

 

実験④(お食事中の方はちょと注意)

SCP-4711初めての調査時に、調査していたメンバーの1人がトイレを使おうしたところ、施錠中で開けられず。不測の事態に備えて一度調査が中断された後、別の調査メンバーがトイレの扉を開けたところ、普通に開いた。

 

財団「💡」

 

Dクラスの職員を2人(職員Aと職員B)を用意。職員Aには「ぎりぎりまで我慢してね」、職員Bには「いつでも行けるように済ませちゃっておいてね」と指示。職員Aが「限界」寸前になったら2人をSCP-4711に送り込む。

結果

職員A「トイレ鍵かかってて開かないし、なんか中からブタの鳴き声するんですけどぉ!?!?」

職員A、トイレの為にSCP-4711から退却。職員Bがトイレへ。

職員B「あれ?トイレ開くじゃん。ブタの鳴き声なんて聞こえんぞ」

 

実験⑤

Dクラス職員に「なんでも好きなもの買っていいよ」と80リンギットのお小遣いをあげて入店させる。

結果

わずか6秒で退店。理由を訊くと…

Dクラス職員「すぐ目の前で商品が消えたんだ!!」

 

徹底してやがる…。

SCP-4711

インコンビニエンス‐ストア